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アルスBOOKトークナイト 第三回ドイツの児童文学

「すべての人間は、物語を語り、物語を聞き、そして暮らしをたてるために物語を持ちたいとの内的欲求を持っている。」

ハーバード大学の宗教学者ハービー・コックス名誉教授

 

子どもの本専門店「メリーゴーランド」店主の増田喜昭さんによる~欧米の児童文学シリーズ~に参加しました。

第三回ドイツの児童文学に選ばれた本は、ミヒャエル・エンデの「モモ」「はてしない物語」とエーリッヒ・ケストナーの「ふたりのロッテ」でした。

 

私は現在34歳にして、これまでほとんど物語の本を読まずに過ごし、文化的な体験はもっぱら映画に依存してきました。

それでも20歳くらいのときに「モモ」を読んだことがあり、面白い物語だったくらいの印象でしたが、まちライブラリー@ひびうた文庫が夜の営業を始めて、真っ先に手に取ったのが「モモ」でした。

 

なぜ本を読んでこなっか私が私設図書館を運営するようになったかというと、スタッフが本が好きで、好きなことを活かせる仕事をつくりたかったからで、結果的には本を通してたくさんの出会いや、居場所づくりに本が貢献することになりましたが、始めた動機は他に見当たりません。

 

約二年間、私設図書館を運営してきた変化は、本に興味がなくても毎日本を目にすることで、いつか読んでみたいと思う本が見つかったことと、やたら熱心に読書している人を見て「そんなに没入できるということは実はおもしろいのではないか」と新しい考えが浮かんできたことでした。

 

物語ではない本に関しては、仕事関係や自身の生きにくさから折に触れて読むことがあり、田島良昭「ふつうの場所でふつうの暮らしを」戸枝陽基「ノーマライゼーションの詩」杉山尚子「応用行動分析」岡田尊司「愛着障害」大越崇「アダルトチャイルド物語」信田さよ子「共依存」向谷地生良「非援助論」影山知明「ゆっくり、いそげ」阿久津隆「本の読める場所を求めて」など、仕事や私生活に大きな影響を与えてくれるものがあります。

 

一方、物語の本となると太宰治「走れメロス」が思い浮かぶくらいです。

他にも数冊は印象に残っている本もありますが、影響を与えてくれたのはメロス一人のように思います。

 

なぜ今、真っ先に手に取ったのが「モモ」だったのか。

時間泥棒といわれる灰色の男たちに、私自身が時間を奪われていたことと、私自身が灰色の男となり人の時間を奪っていた。

そのことに向き合う準備が今になってようやくできたからかもわかりません。

「モモ」を読んでから人生への向き合い方が変わり、スマホの代わりに本を取り、夜のまちライブラリー@ひびうた文庫で毎日のように物語の本を中心に読んでいます。

 

「モモ」の次に読んだ「はてしない物語」は感動の連続で物語と現実を行き来するバスチアンのように、読み終えた後には人生が豊かになった気がしました。「ふたりのロッテ」は子どもだった頃の気持ちが蘇ってくるようでした。

 

「モモ」のモモ、ジジ、ペッポ、マイスターホラ、カシオペイヤ

「はてしない物語」のバスチアン、アトレーユ、コレアンダー、幼心の君

「ふたりのロッテ」のロッテ、ルイーゼ、お父さん、お母さん

 

メロスだけだった物語の中の人生を刺激する友人ともいえる登場人物はあっという間に増えていきました。

 

メリーゴーランドの増田さんは、本には二種類あり、ハイキングのように安全が確保されているものと、何が起こるかわからない登山のようなものがあると話されていました。

今回読んだ三冊の本はどれも登山のようで、山頂から眺めた景色(自分の人生や心)は登頂を志した時点では想像できなかった素晴らしいものでした。

 

講演の後、懇談していただいた増田さんから、お金があればお金を使う、お金がなければ知恵を使うしかない、だから「ハングリーであれ!」との激励をいただきました。

これからひびうたで読書文化を育む活動や事業を進めていく計画がありますが、ハングリーであり続けていこうと改めて決意することができました。

 

明日12/02(水)はアルスBOOKトークナイト 第四回スウェーデンの児童文学です。

最終回となる「物語」を楽しみにしています。

 

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