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わたしたちへ

2023年8月24日に合同会社おうばいとうりは設立8周年を迎えました。

 

私という目の前の一人から始まった居場所をつくる活動(ひびうた)は、2015年のコミュニティハウスひびうたを皮切りに、2017年にコーヒーハウスひびうた、2019年にまちライブラリー@ひびうた文庫、2021年にブックハウスひびうた(現・日々詩書肆室)とシェアハウスひびうた(現・マイハウスひびうた)、2023年にチルドレンハウスひびうたと徐々に広がっていきました。 

 

さらに、2022年には共有地をつくる活動(HIBIUTA AND COMPANY)を始め、日々詩喫茶室(カフェ)、日々詩編集室(出版)、日々詩書肆室(書店)、日々詩意匠室(デザイン)が新たに誕生しました。

 

「わたし」から「わたしたち」へ、出会えば出会うほど他人事ではいられないことが増えていきました。

 

ひびうたの活動は、『目の前の一人から、居場所をつくる』ことを目的としています。

そのため、出会った人の悩みや困りごとによって、創られる居場所の形が変化していきます。

 

HIBIUTA AND COMPANYの活動は、『わかち合う時を求めて、わたしたちの共有地をつくる』ことを目的としています。

そのため、違いのある人が共に過ごすために、仲間の得意によって共有地の形が変化していきます。

 

目的を大切に方法にはこだわらない。

過程を大切に結果にはこだわらない。

得意を大切に苦手にはこだわらない。

 

これらを続けてきたことが、社名のおうばいとうり(桜梅桃李)のように、居場所と共有地それぞれの活動において、4つの異なる個性の花を咲かせるに至ったのかもしれません。


今月から始まったチルドレンハウスひびうた(わたしにであう学び舎)、マイハウスひびうた(いきたいまちの住環境)では、これまで存在していることを身近に感じることがなかった人たちとの出会いが生まれています。

 

また、9月23日(土)24日(日)に開催する『ひびフェス2023―Hibi Fes2023』のゲストの一人で写真家・文筆家の齋藤陽道さんは聴覚の障害をお持ちです。

 

齋藤陽道さんとの出会いをきっかけに、聴覚の障害を持つ子どもたちが通う近隣の事業所に連絡を取ったり、県内で筆談カフェを運営されている方のお話を伺う等をしてきました。

 

新たに出会った生きづらさを抱えた子どもたちや脳性麻痺で出生した人たちも、ひびフェス―Hibi Fesに参加する予定でいてくれています。

 

「わたし」から「わたしたち」そして、さらなる「わたしたちへ」

 

わたしたちが存在していることを確かめ合い、祝福し合う『感動』の二日間にしていきたいと願っています。

これまでの「わたしたち」とは違いのある人とどう共に過ごすのか、どうやってコミュニケーションを取るのか、まだまだわからないことがたくさんあります。

 

それでも、諦めることなくあらゆる挑戦をして、当日を迎えていきます。

 

以下、ひびフェス―Hibi Fesのチラシです。

※日々詩意匠室制作


2023年9月1日ひびうた開設8周年の日に、池田彩乃さんによる朗読会「夏の夜に言葉を灯す」が開催されました。

代表としての私ではなく、一人の私として参加しました。

 

あなたは

雨を知らない星から来た人

飲み干す度に注がれるグラスの水が

ふしぎでたまらない

あたらしい水の上

朝な夕なに光を遊ばせ

もうずっと

うれしがりやとして生きる

 

心の声と聞こえてくる詩の声が重なる瞬間、安心した気持ちになりました。

 

29歳から37歳となり、生きづらさを感じることは未だにありますが、揺れる心の炎を会場に灯った蝋燭ほどの揺らぎにできたなら、創立10周年を39歳で迎えたとき、自他ともに穏やかな気持ちで生きていけるかもしれません。

 

個人としても「わたし」から「わたしたちへ」 


朗読会の帰り道、満月から1日分だけ欠けた月が光を放っていました。

欠けていても光を届けることができるなら、欠けたままの姿で精一杯いまを生きていこう。

 

しばらく月を見ながら歩いていたその時、流れ星が通りすぎていきました。

これまでの願いが叶ったからかと思うと同時に、新しい願いをかけてみました。

 

 

大切な人たちを傷つけなくてもいいように。

 

 

2023.9.4

合同会社おうばいとうり 代表 大東悠二