ブックハウスひびうたの取扱出版社さん紹介②サウダージ・ブックスさん

こんにちは。ブックハウスひびうた管理者の村田です。

読書週間特集・お世話になっている出版社さん&書籍紹介、今回は鎌倉の出版社さん「サウダージ・ブックス」さんです。

 

サウダージ・ブックス

 瀬戸内海の島やブラジルなど、各地を旅してきた編集人・アサノタカオさんが2007年に立ち上げた出版レーベル。静かな佇まいの写真集や詩集、エッセイが、世界中の息吹を伝えてくれます。「旅」と「詩」と「野の教え」という、世界がどれだけ変わっても変わらない大切なものを届けてくれる出版社さんです。

 

『随筆集 読むことの風』 アサノタカオ著 

ページを開けば、タイトル通り異国からの風がさわやかに通り抜けるようなエッセイ集。

世界中を旅してきた編集人・アサノタカオさんが旅と読書について綴ってきた詩とエッセイが、一冊の本になりました。

「読むことはひとりになること」という言葉が印象的。なにかと悪者にされがちな「孤独」ですが、周囲の声を断ち切ってひとり本と向かい合うことを肯定してくれるアサノさんの言葉に、励まされる読書人は少なくないはず。

人気の装画家、nakabanさんによるイラストも、透明感のあるアサノさんの文章を引き立たせています。

 

『今日という日を摘み取れ 渋谷敦志写真集』 渋谷敦志 

この写真集に収められているのは、厳しい環境の中で過酷な生を強いられている人々の姿です。

目をそらしたくなるかもしれませんが、まず見ないふりをやめて、彼らの生命の記録をまっすぐに見つめることが、世界から悲惨をなくす第一歩になるのだと思います。

本書の中には、打ちひしがれるだけではなく、厳しい状況の中でも前を向いて生きようとする人々の姿も登場します。

小さな家の前で笑顔を見せる一家の写真に、どこにあっても変わらない人間の普遍の姿を見るように感じました。

 

『宮脇慎太郎写真集 霧の子供たち』 宮脇慎太郎 

 四国で生まれた写真家が捉えたのは、霧立ち込める山間の集落、徳島県の祖谷峡谷の姿。

 神秘的な雰囲気の祖谷ですが、そこに暮らす人々の姿を見ると、ここにも他の土地と変わらない日常の営みがあるんだな、と思います。

 とはいえ時が止まったかのような峡谷の姿には、日常と神聖なるものがいつも背中合わせにある生活を送ってきた祖谷の人々の歴史をしのばせます。

 ページを開けば、自分の身の回りがすっと静かになるような、引力のある写真集です。

 

読んだ後に新しい目で身の回りを見つめなおしたくなる本を送ってくれているサウダージ・ブックスさん。

編集人のアサノタカオさんは、トークイベントで今までに二度はるばるひびうたまでお越しいただきました。

また、毎月オンライン自主読書ゼミを開催していただき、興味の尽きないお話を、ひびうたの仲間と語り合ってくださっています。

どこまでも、旅と本、そして人と人のつながりを大切にされている、心から尊敬できる編集者さんです。

 

ブックハウスひびうた 管理者

村田奈穂