ホンツヅキ三重2025を終えて

こんにちは。

ブックハウスひびうた管理者の村田です。

 

ブックハウスひびうたは、2025年6月13日金曜日から6月15日日曜日の3日間、津市久居アルスプラザにて開催された、三重県最大のブックイベント「ホンツヅキ三重2025」に出店しました。

 

ホンツヅキ三重は、2021年に県内各地の古本屋さんによって結成されたグループ「三重県まちの古本屋さん協会(通称:まちふる協)」が、2022年から毎年6月に津市久居アルスプラザにて開催している、年に一度の本のお祭りです。

4回目の開催となる今年は、まちふる協メンバーが出店する古本市に加え、新刊書店・県内に拠点を置く出版社のエリア、個人でZINE(手作りの出版物)等をつくって表現活動をしている人が集まる「文芸フェス三重という新しい取り組みも始まり、ますます多様な本に関わる人が集まる場をつくることができました。

 

天気が心配されましたが、雨の土曜日も雨雲を吹き飛ばす勢いの大盛況となりました。今年の来客数は過去最多だったそうです。また、新刊/出版社、古本、文芸フェスと、それぞれのエリアに賑わいが生まれ、各エリアを目的に訪れたお客様が新しい本との関わりを発見できる機会にもなったのではないかと思います。

会場に居ながら、県内の本好きの人々の熱気とわくわくを肌で感じられる、幸せな時間を過ごすことができました。

ご来場のみなさま、このイベントを作り上げてくださった運営者のみなさまに、心から感謝します。

 

ひびうたは、2022年の初回から4回続けての出店を果たすことができました。

この間、2022年の第一回はブックハウスひびうた、2023年、2024年は日々詩書肆室、2025年の今回はふたたびブックハウスひびうたとして出店しています。

2021年4月に本屋の運営を始めてからなかなか事業がうまくいかず、何度も移転したり閉業→リニューアルオープンを繰り返した結果、名前がコロコロ変わって、運営するまちふる協のみなさんにはご迷惑をおかけしてしまいました。

不器用でとんでもなく抜けていて、ホンツヅキ三重のような重要なイベントでもおろおろと右往左往するばかりだった自分を、それでも優しく、仲間として接してくださったみなさんにはどれだけ感謝しても十分ではありません。

まだまだみなさんの古本愛と創意工夫に溢れた素晴らしい店づくりには遠くおよびませんが、かたつむりが這うようにでも成長している姿を見ていただければ嬉しいと思います。

また、何度失敗を繰り返しても本屋を続けさせてくれているひびうたにも深く感謝します。

 

今回は、ひびうたの就労継続支援サービスを利用してブックハウスで働いてくれている利用者さん2名に、準備から本番まで一緒に参加してもらいました。

うち一人は、昨年の6月からずっと本の仕事を続けてくれている仲間です。

普段から、あまりにもできないことの多い私を逆にサポートして、古本の清掃や値札づくりなどをがんばってくれています。

出店準備の際も、私の苦手な什器の組み立てや陳列を素晴らしい完成度で仕上げてくれました。

彼がずっと働き続けてくれたからこそ、新生ブックハウスをいい本屋にしようと努力するができたと思うし、実際彼の力を借りて、思いを目に見える形にすることができたのだと思います。

もう一人は、今年の5月から本屋の仕事を手伝ってくれています。

とても慎重で正確な作業ができる彼は、まだ慣れない中で大量の本を扱わなければならない、ある意味過酷な状況の中でも、落ち着いて丁寧な仕事をしてくれました。

売上の管理がいつもの数倍早く済んだのは、地道な入力作業を厭わずこつこつやってもらえたからだと思います。

 

これまでも本屋部門で働いてくれた利用者さんはいましたが、ホンツヅキ三重に利用者さんと共に参加できたのは初めてです。

初日から3日間フルで本番に参加してくれた利用者さんは、人当たりのよさを生かして、レジ番や案内、会場整備に大活躍。搬入搬出時も先頭に立って、進んで他の出店者さんのために働いてくれました。その姿勢には、私の方が多くを学ばせてもらいました。

3日間の感想を聞いた時、「こんなに三重県の本好きの人に信頼されているイベントに関わることができて嬉しかったです」と目を輝かせて言ってくれたことが、自分にとってもほんとうに嬉しかったです。

 

私一人では何もできません。

働く場を与えてくれているひびうた、仲間として受け入れてくれているまちふる協のみなさん、一緒に働いてくれている利用者さんに助けられて、ここに立っていることができるのだと思います。

そのことを強く実感することのできた、ホンツヅキ三重2025の3日間でした。

みなさんのおかげで、ひびうたの本屋としては今までにないほど多くのお客さんに本を手に取っていただくことができました。

昨年の11月から集めてきた詩の本も、多くの方の手元に届けることができてよかったです。

これからも、ともに歩んでくれる人々とともに、本屋という場を育てることによって、人に喜んでもらうことができれば幸せです。

 

2025.6.26 ブックハウスひびうた 村田奈穂