ブックハウスひびうたの取扱出版社さん紹介①赤々舎さん

こんにちは。ブックハウスひびうた管理者の村田です。

10月27日~11月9日は読書週間!この期間中に読みたい本を、ぜひみなさんに見つけていただきたい!

ということで、今日から読書期間中、ブックハウスひびうたがお世話になっているとっても魅力的な出版社さんの本を、一社ずつ紹介していきたいと思います。

あなたの心にぐっとくる本、そして出版社さんに出会うきっかけになれば幸いです。

 

本日は第一回ということで、京都の「赤々舎」さんを紹介します。

 

赤々舎

 津市民の誇りとなっている、浅田政志さんの写真集『浅田家』を出版されたのが赤々舎さん。写真集というジャンルで押しも押されもせぬ第一人者となっている、スゴイ出版社さんなのです。赤々舎さんの写真集は、言葉で表されるよりもはるかに多くのものを、見る人の胸に湧き起こしてくれます。「意味よりももっと心を動かすもの」を追い求めてつくられた写真集。時には静寂に身を置いて眺めてみたいです。

 

『桜日』 絵門仁 

 ページを開くと、桜の花びらが散る音が聞こえるような、静寂の時間が訪れます。

 伊勢現代美術館の初代館長だった故・絵門仁さんが、日本全国の桜をカメラに収めた写真集。

 桜といえば、華やかに咲き誇る姿を思い浮かべますが、この写真集の中の桜は、不思議なほどひっそりと、静かな雰囲気を漂わせています。

 美しいものに触れて、一瞬全てがとまったように思える瞬間を、この写真集を読めば思い出せそうです。

 撮影された樹は巻末で紹介されているので、写真に感動したら実際に訪ねてみるのもいいですね。

 

『うみのこ』 イケムラレイコ 著 

 三重県津市生まれ、現在ドイツ在住の世界的芸術家、イケムラレイコさんによる、小さな詩文集。

 イケムラさんは1973年に渡欧後、少女をモチーフにした彫刻や絵画作品を発表し、高く評価されています。 本書は、2006年に静岡県にあるヴァンジ彫刻庭園美術館にて開催されたイケムラさんの個展、「うみのこ」にて展示されたドローイング作品と、画家自身が綴った詩を収録しています。

 やわらかな手触りの中に謎を秘めている詩と絵の世界に触れていると、夢の中を漂っているような気分に。

 イケムラさんはどんな気持ちで海を眺めていたんだろうと、考えてしまいます。

 

『花火景』 冴木一馬 

 空いっぱいに、華やかに打ち上げられる花火。

 色とりどりの光が暗い空に描く模様は、いつどこで見ても人の心を引き付けます。

 濃紫の表紙に浮かび上がる花火が印象的な表紙の本書は、花火写真の第一人者・冴木一馬さんが世界中で打ち上げられた花火の姿をカメラに収めた、眺めているだけで心がうきうきする写真集。

 花火の華麗さにうっとりするのはもちろん、一枚一枚の写真を見ていると、夜空って決して真っ黒ではないんだなということに気づきます。

 コロナ禍で打ち上げ花火を見られない今、手元に置いて何度でも楽しみたい、紙の上の花火です。

 

『感動、』 齋藤陽通 

 思わず息を呑むような一瞬。その感情に名前をつけることはできないけれど、自分の心が動かされたのはわかる。

 そんな「感動」の瞬間を、新進気鋭の写真家が捉えた写真集の第二弾。

 この写真集の中に収められている同じ写真を観ても、人によってどう感じるかはまったく違うと思います。

 息が止まるほど美しいと感じるか、背筋がひやっとするような恐ろしさを感じるか…

 あなたがどのように感じても、「心が動いた」ということは間違いではないんだよと言ってくれているような、ふところの広さを感じさせる写真集です。

 

『祝!結婚した』 花井達 

 人生で一番華やかと言えるかも知れない一大イベント、結婚式。

 この日の主役はなんといっても新郎新婦の二人なのですが、よく見てみると、その周辺の人々こそ面白い。

 ずっとブライダル・フォトを撮影し、新郎新婦の姿をカメラに収め続けてきた写真家が、二人の人生にずっと寄り添って来た家族や親戚、友達によるほほえましい瞬間を捉えたHAPPYな写真集です。

 おなかを抱えて笑ってしまうような場面や、思わずジンとくるような場面。

 結婚式という特別な一日も、これまでの人生、そしてこれからの人生とずっとつながっているんだと思えるような一冊です。

 

『もう一つのものづくり 平林金属写真集』 百々武 

 岡山県にある金属リサイクル会社・平林金属の仕事現場を、写真家の百々武さんが捉えた写真集。

 普段生活の中で目にしている金属製品も、圧倒的な量が集められ、解体され、圧縮される様子を見ていると、途方もない迫力と、一種の美しさを感じるから不思議です。

 夢中で写真を眺めているうちに、文章で説明されても難しいリサイクル業者の仕事の流れを知ることができるのも、写真の力ですね。

 ゼロから新しいものを作り出す産業を「動脈産業」に対し、廃品物をリサイクルして作り変える産業を「静脈産業」というそうです。

 収録されたインタヴューからは、「静脈産業」に身を置く人々の誇りが表れています。

 

いかがですか? なかなか出会いにくい写真集の世界ですが、一度手に取ると、とても引き込まれますよ。

赤々舎さんは他にも芸術性の高いものやくすっと笑える写真集をたくさん出版されています。気になった方は、ホームページなどを訪ねてみてくださいね。

 

ブックハウスひびうた 管理者

村田奈穂